2003年刊。
大塚英志さんの小説。
漫画版もグロだったりなんだったりで可笑しくて面白かったが
小説版もなかなか。
・中身
内容は漫画版とほぼ同じだけれども、細部が違う。
視点も違ったりするので漫画既読でも楽しめる。
犬彦の設定が一番異なっていたかな?
どっちにしろ強く萌えを感じます(笑)
以下ネタバレ
・犬彦
しかしやはり私の中の犬彦の位置は
『赤のユダヤ・聖神邪のその後』
なのでやはりちょっとだけ切なかったり。
重いんだよ。相対性理論のごとく犬彦だけ存在の重みが違う。
天使篇との関連から、リカ=キリンの名前にも動悸がする。リヴァイアサン(=ミカエル・世紀末救世主)自体が青だし。
腐女子的にはリヴァイアサン×犬彦?
思春期時代の病気が久しぶりに再燃するかも。
さつきはリカに似ているらしいから好みのタイプなのかもしれないなあとか裏読みしまくり。
・エンディング
漫画版では神様・手塚のオマージュに溢れかえっていてにやにやさせてくれたけど
小説版の昭和的な恋愛エンディングもなかなかよかった。
昭和、というか90年代の雰囲気を書くのがうまいのだろうな、と思う。
書かれた年代もあるだろうが。
2008.08.25 |
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特に期待はしていなかったのですが
予想よりずっと読ませる小説でした。
濃くて考えさせられるというよりは、スピードと波にのせて一気に持っていくタイプ。
主人公の行く先とか登場人物たちの末路とかの是非はともかくにも、
ストーリー構成でただ「おもしろい」といわせる小説でした。
極道小説というよりはエンターテイメントに近いかな。
個人的に進路とかいろいろ身につまされましたが。
2008.08.14 |
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けさ読みました。
山田詠美 作。
「蝶々の纏足」をずっと前に読んだことがあったのでなんとなく女子の女子たるゆえんのような湿った文章を書くイメージがあって、嫌いじゃないけど、素直に好きだっていえない作家さんでした。
今回「ぼくは勉強ができない」を読んでかなり印象が変わりました。
この人は、感覚を言葉に当てはめるのが上手い、というのが一番の感想でしょうか。
そんなの小説家の、物書きの第一条件だろうけど、山田さんは格段にそこが上手いように思う。あと、表現の感覚のコントロール。絶妙です。
主人公の性格もあるけれど、この青春小説は不思議と暗くない。痛々しくならずに、青春期のさまざまな感覚を書くことがどんなに難しいか。青春のただ中にいるひとにはできない表現なのかもしれない。主人公は大人びてはいるけど紛れもなく子供で瑞々しいのだけど、あらゆる視点に距離を感じる。そして、果てに虚無感でなく『力』みたいなものを残してる。希望とはまた別の。私はわりと耽美好きなので偏っているかもしれないけれど、こういう青春小説は久しぶりに読んだ気がした。
2008.07.15 |
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一週間前読み始めた三島の「禁色」をやっと読みおわった。
禁色っていうと古代中国の帝政下で身分によって身に付けられる色が決まってたっていうの思い出す。
本編の内容は省略するが、総合すると美声年ていいよね。という話でした。すごい描写だったので一部引用しとく。
『…彼の目の見ない鏡は、白い敷布の上に仰向けに横たわり、枕を外して、美しい重い頭部を畳の上に落としている悠一の裸体の幻を映していた。そののけぞった咽喉の部分がおぼろげに白いのは、多分そこに落ちている月光のためである。…』
悠一はワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」の主人公のごとき美青年。三島さんはワイルド好きだったみたいだし影響はあっただろう。三島さんの男性の肉体美の描写は非常にエロエロしい。
でも女性はみんな人形みたいに無機物的な美しさしかもたず、ようするにセクシーではない。
美青年はきつめ。本文から引用していわく、『愛するものはいつも寛大で、愛されるものはいつも残酷さ』。美声年はナルシストじゃなきゃいけないらしい。
…美人は自分の価値を知っているから美しいっていうのは真理だと思う。
もっとも現実のそういう男に女は敵意と畏怖を感じるので好きにはならないだろうな。
1964年に描かれた小説だけど十分おもしろい。
強いて言うならラスト意外にもカタルシスが欲しかったかな。
2008.05.26 |
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この前の「悪童日記」のインパクトが強すぎたので、三部作の残り二作を一気読みしてしまいました。テスト中なのに。
簡潔な文体だった一作目「悪童日記」から、二作目三作目とどんどん説明が長くなっていって、人物は固有名詞や感情がからんでくるわけですが。個人的にはやっぱり「悪童日記」が一番インパクト強かったです。二作目も一作目の勢いはたもっていますが、伏線消化編の三作目はいまいちインパクトが無くて読んでいる途中でちょっとだれました。
とは言っても、かなり面白い。三作目だれたのは単にぶっ続けで読んでたからっていうのもあるし。謎が謎を呼び、人間関係はこじれて絡む。二人の兄弟の人生、虚構と真実が最後まであきさせません。作者の頭の中はどうなっているんだと。
2007.07.24 |
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